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乾徳山 2016m  中央沿線の人気の高い山。展望と高山植物が楽しめる山です。

△ 春4月。麓から眺めたスモモの花と乾徳山。

△ 扇平からの乾徳山。8月。

△ 夏は花畑になる扇平から乾徳山を眺望。

△ 頂上直下、天狗岩です。鎖場があり、注意して登ります。

△ 巨岩だらけの頂上で。背後の山は黒金山2231m。

△ 2画とも国師ヶ原の花の道。左画の紫花はマツムシソウ。

△ コウリンカ。右はクガイソウか?

△ シモツケソウ。右はノハラアザミか。

△ コオニユリ、ハクサンフウロ。
 ほかに、夏はウツボグサ、ウスユキソウ、シラネニンジン、タカネナデシコなどの花が咲きます。
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 【乾徳山の山名】
 三省堂の『日本山名事典』によると、「山名は山麓にある恵林寺の山号からつけられ、夢窓国師座禅の地として知られる」 とあります。
 乾徳山の南10.5kmに、「乾徳山恵林寺」があり、ここに武田信玄の墓があります。参考まで。



△ 武田信玄の墓所。背後には家臣の墓、約70基があるといわれます。
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 春爛漫の乾徳山

 春4月。塩山市街の北方、乾徳山が望める村で、私は桃の花を見ながらスケッチに興じた。乾徳山が鋭鋒を誇示していた。
 甲府盆地や盆地を取り巻く緩やかな斜面を容赦なく吹きつけてきた北風が、やがて鳴りをひそめ、斜面へ降り注ぐ日差しが日一日と温もりを増す。
 盆地に住む人々にとっては、待ち遠しかった春の足音である。
 その足音を正確に聞き分けて、自分の存在を訴えかけようとするピンクの花弁たち。
 時は一斉にやってくる。まるで春の麗らかさに浮かれたかのように、一面にピンクの絨毯を敷いて。
 桃源郷である。土地の人々も、これで本格的な春の到来を知り、喜ぶ。
 しかし、桃花のほころびを愛でるのも、桃源郷で酒の宴に酔いしれるのも、時は短い。
 桃が豊かに稔るのを信じて、すぐに摘花作業が始まるのである。

 *上の記事は、かつて雑誌に掲載。塩山市は現在・甲州市。